REPORT

2024/06/21

【国紹介】ミャンマー

【期待と不安が入り混じる「ミャンマー」】

令和5年12月時点の特定技能在留者数は、約11,873人(全体5番、全体の5.7%)、1位のベトナム(11万人)に比べるとまだまだ少ないのが現状です。

しかし、今後特定技能外国人の数が急激に増える見込みのある国がミャンマーです。理由としては以下の点が挙げられます。

1. ミャンマーの情勢

2. 日本国内の深刻な介護人材不足

【出国を希望するミャンマーの若者たち】

まず1つ目の「ミャンマーの情勢」に関してですが、2021年2月1日から現在まで国軍クーデターが続いており、ミャンマーは深刻な人権侵害と人道的危機に陥っており、自国を離れたいと考えるミャンマー人の方が多く存在します。

また、日本国政府が「緊急避難措置」として、ミャンマー人の方の在留や就労が特例で認められる措置をとっています。その結果、昨年の6月末から12月末までの特定技能外国人の増加数はベトナム、インドネシアに次ぎ3番目であり、今後も多くのミャンマー人の日本入国が見込まれます。

【介護分野でのミャンマー人需要】

日本国内では介護職の賃金が低く、労働環境も比較的過酷であることが多く、就職を希望する人が少なくなっています。

ミャンマーでは「介護業」の特定技能試験が国内で実施されており、介護評価試験と介護日本語評価試験において高水準の合格率を記録しています。そして、ミャンマーの賃金水準はアジアの中でも最低水準で、仕事の探しやすさや、環境の安全面において優位性のある日本への出稼ぎを希望するミャンマー人も増えており、今後、介護業での特定技能外国人が更に増加すると予想されます。

この他にも、ミャンマー人の特徴として、90%の方が仏教徒で「慈悲深く、目上の人を大切にする」、「徳を積む」といった特徴があり、周りの人を大切にする風習があり、介護職に向いた考え方を持つ方が多くいます。

介護技能評価試験と介護日本語評価試験の合格率や、日本語能力試験の受験者数が中国に次いで2番目に多いというデータが示しているように、「勤勉さ」という部分も大きな特徴です。さらに、日本がこれまで多額のODA(政府開発援助)を行なっていることや、日本文化の浸透により、親日の方も多いです。

日本語能力が必要とされる「外食業」、人手不足が深刻な「農業」や「建設業」の特定技能評価試験も現地で行われており、これらの分野への紹介国籍として、今後ミャンマーは必須の存在になると思われます。

*ミャンマー人の方が日本で働く際には「スマートカード」というIDカードの発行が必須となり、ミャンマー労働省への申請が必要です。申請してから発行までには3〜4ヶ月かかるため、特定技能の在留資格の申請のタイミングを調整するなど、注意が必要です。